[PR]当たる!無料占いで運命鑑定:プロの占い師による本格運命鑑定が無料で

←戻る
学校ビオトープの提案(2000/10)
●本稿作成の経緯

「2003 年に開校予定の志木小学校・公民館・図書館複合複合化施設には、校庭の一部と屋上にビオトープが計画されています。が、ビオトープを造るということ以外まだほとんど白紙の状態です。そこで私たちは、ビオトープについての理解を深め、アイデアを出し合い、市に提言していくために、下記の通 りこの会を企画しました。」(志木小学校PTA複合化検討特別委員会発行の『志木小のビオトープについて話しませんか』のチラシより)という前文が添えられて、志木小学校の保護者・教職員へ向けて呼びかけが行われ、下記の通 り開催されました。

---------------------------------------------------------------------
『志木小のビオトープについて話しませんか』
   日時 平成12年8月26日(土)午後1時30分〜4時
          8月27日(日)午後1時30分〜4時30分
   場所 志木小学校多目的ルーム
   主催 志木小学校PTA複合化検討特別委員会
   進行 村山宏(志木小学校PTA会長)
   内容 1日目「ビオトープってなんだ」
          発表 毛利将範*1
             大滝孝久(志木小学校校長)
             内田道子(志木小学校PTA複合化検討特別 委員会委員長)
          質疑応答
      2日目「こんなビオトープがいいな」
           小グループによる具体的なアイデア検討のワークショップ
   参加者 志木小PTA 校長 一般市民 市職員
       8月26日=約20名 8月27日=16名
----------------------------------------------------------------------

 当日の私の拙い話が、前述の特別委員会委員長の内田さんにより非常に分かりやすく要約され、また、これに続く市の検討委員会合同部会で、委員の方から「ビオトープはどのレベルのものを想定したらいいのか」という質問が出され、うまく説明できたと思えなかったので、この機会に、それらをまとめて報告し、また、具体的な学校ビオトープの私案を示し、検討のたたき台に供することができればと本提案書を作成しました。 (毛利)

 

 
●志木小学校・学校ビオトープの提案
1.ビオトープって何?

1-1 生き物のいる空間

 ビオトープとは、ドイツ語の bio(生き物)とtop(場所)の合成語で、生き物の場所の意味。湿地、雑木林、池などには固有の生物群集が存在する。この群集を保持する空間をビオトープと呼んでいる。

 図1は自然界のビオトープにおける生き物のつながりを模式化したものである。このしくみを生態系ともよんでいる。

1-2 生き物の暮らしがつながっている

 太陽と土と水がある。土の中には徴生物などの大量の分解者がいる。分解者は生き物の死骸や落ち葉を分解して養分のある土を作る。その土で植物が育つ。植物は酸素を発生させたり自身をエサとして昆虫などの動物を育てる。さらにカマキリのように昆虫を食べる昆虫や、小鳥などがいる。さらにそれを食べるイタチやヘビ、そして一番上にいるのは、このあたりではオオタカやフクロウの仲間である。こういう多様な生き物がいて、「食う・食われる」のつながりがある環境、そのしくみを生態系という。

 図に示すとおり、上位になるにつれて個体数が減っていく。1羽のオオタカが生きていくには約10〜20I、志木市全体が緑の林で覆われていなければならないほどである。

 ただ、オオタカが棲めるような環境でなければ意味がない、というのではない。たった1本の木、ひとかたまりの草むらでも、分解者がいる健全な土があれば図2のように小規模の生態系を形成することができる。

図1 生態系の概念図
図2 小さな生態系

1-3 地域固有の生態系を復元する

 ビオトープという言葉は、なくなった自然を再生・復元させるときの考え方としてドイツで考えられた概念である。

 日本にも「緑化」という言葉がある。しかし、緑化という言葉からは残念ながらしばしばそこに成育する生き物のことが忘れられている場合が多い。例えば、樹木や草花は植えるが虫は殺虫剤で排除したり、育てやすい、あるいは美しいというだけで安易に外来種を移植するなど園芸化される例である。

 ビオトープの概念の特徴として、その地域固有の生態系を復元させるという大切な考え方がある。そのためには、その地域固有の、もとからある生態系とはどういうものか、ということを考慮しなければならない。

 

2.どんな質のビオトープにするのか

2-1 自然の考え方

 自然をおおまかにとらえると、人の手が全く入っていない手つかずの自然、人の手が比較的入っている自然、さらに全く人工の自然、例えば杉などの植林地や農地など、がある。どちらが良いというものではないが、人の自然への関わり方の割合によって自然の性格を分類することができる。

 図3は手つかずの自然と人の手が入っている自然の割合を模式図にしてみたものである。一番右側はほとんど人の手を入れない状態を示している。顕著な例としてアメリカのナショナルパークやサンクチュアリの考え方がある。あるがままの広大な自然を全く人の手を加えないで保存するという考え方だ。湖は放っておくと湿原になり、やがて草原になる。自然は絶えず変化するが、それも全く手を加えずに放っておく。

図3 自然への関わり方の図(鳥越皓之『環境社会学』1999より)

 イギリスのナショナルトラストという自然保護の考え方は、それよりは人の手が入っており、例えば美しい湖があり放っておくと湿原になってしまうというときに、ときにはそれを守るために堰を造ったりもするというやり方をする。図のまん中の状態にあたる。
 そして図の左側の人の手がもっと入っている例としては、日本の里山がある。日本では昔から山に入って山菜や薪をとったり、下草刈りや伐採などをしてきた。絶えず人手が入り自然を同じ状態に維持してきた。手つかずの大自然は非常に広い範囲を見ればダイナミックな生き物の多様性があるが、ある狭い範囲だけを見ると、特定の限られた種だけになったりする。一方日本の里山は、狭い範囲に非常に多くの種が存在しており、種の多様性という面 でとても優れた一面を持っている。

2-2 武蔵野の里山  

ビオトープをつくる場合は、開発で消滅した生き物のつながりを修復するという意味があるので、当然その地域の生態系を再現することになる。この地域、つまり志木周辺の特徴的な環境を象徴するものは前述の武蔵野の里山であろう。40年から50年前にはどこでも見られた風景である。
 代表的な里山の原型が、武蔵丘陵のトトロの森や三富地区の農地など、志木周辺に残されており、市内にも、台地と低地の境にあたる斜面 林や川の周辺、農地などの景観にそのなごりが見られる。
 また、里山を活用したり、管理したりした昔の記憶を持っている方々がまだ地域に多数おられ、その知恵を借りることも可能である。

 

3.なぜ学校にビオトープをつくるのか

3-1 地域の自然をとりもどす

 人類の文明の歴史は、苛酷な自然を人間が快適に暮らせるように改変し克服することであったともいえる。特に日本ではここ40年間で劇的な変化を体験している。それでもまだ周りに自然があったから許されてきたが、高度経済成長の時代を経て自然環境は危機的状況となり事態は変わってきた。学校の緑地も地域の自然の回廊の一部として位 置づけ、地域の自然をとりもどし、子どもたちが地域特有の自然のしくみを学ぶ場としたい。

3-2 日常的に自然体験ができる

 自然を残せばそれで環境問題は解決するのだろうか。今では、自然が無くなると人間の生命にも精神面 にも悪影響がある、自然を残していかねばならないという共通認識になりつつある。しかし現実問題となると、「蚊が発生するから」「毛虫が付くから」とか、「落ち葉の掃除が大変」といって木を切ってしまうかもしれない。自然との共生は必要であるが、一方ではリスクもある。残された自然を、プラスの面 で考える人がいなければただのやっかいな存在になってしまう。
 特に次の世代を担う子どもたちが、生活の中で日常的に自然体験できることが必要である。そして、そういう自然が身近にほしいと思ってくれれば、また次の世代へとこの地域の自然は残っていく。
 つまり学校ビオトープは、日常の自然体験をとおして子どもたちの豊かな情操を育て、さらにそれが、よい環境を次世代に伝えていく原動力となる。

3-3 地域の人々とのつながりができる

 身近になくても旅行して自然に触れることはできるが、それでは自然からよいところをもらってきているだけで、守り育てるという視点は育ちにくい。
 学校ビオトープには「これで完成」という段階がない。つくる過程やつくってからも、子ども、教師、親、地域の人で知恵を出し合い、絶えずかかわっていくことが必要である。
 学校を拠点に地域の人や環境NPO、行政とのつながりができる。そして、子どもたちも地域の一員として自らの手でビオトープづくりにかかわることによって、受け身でなく、自分たちが暮らす環境を自分たちで育てていく気持ち、地域を愛する気持ちが育つ。

3-4 自主性ややりとげる力が育つ

 計画、作成、活用、管理、情報発信などの各段階で、子どもたちが自ら考え、行動していくことによって、子どもたちの自主性や、やりとげる力が育てられる。

 

4.学校ビオトープをつくっていく上で

 学校ビオトープは、「総合的な学習の時間」のテーマとして、また、学級崩壊やいじめなど、子どもたちの心の問題を解決する取り組みとして注目されている。さらに、地域の自然のつながりの一部としても重要な役割をもっている。
 学校ビオトープづくりを進めていく上で留意するポイントを整理すると以下のようになると思う。

1)計画の段階から学校や地域がかかわる

 現在、志木小学校ではPTAが中心になってワークショップを行ったりして学校ビオトープの検討を行っている。具体的な設計の日程という問題もあるので、池、草地、樹林地、水田、ポンプなど基礎的な施設をまずは検討し、さらに今後は、授業の中で具体的なアイデアを出したり、アンケートを行うなど、子どもたちや、教師・保護者・地域が一緒になってビオトープづくりができるような取り組みが望まれる。

2)地域独自の環境を再現する

 この地域の土と植物で、地域の動物を呼ぶのを基本とし、外来の動植物の移入は原則として行わない。従って、事前に地域の環境を学習することも欠かせない。  また、学校ビオトープは「食う・食われる」の生き物のつながりを学ぶ場でもある。特定の動物にエサを与えて飼育したり、樹木や草花を園芸的に育てる学習とは区別 する必要がある。

3)活用し、管理する

 学校ビオトープは、低学年から高学年の各教科(生活科、理科、社会、図工、国語などなど)の授業で様々に活用できる。また、学年を縦断するしくみ(例えば「ビオトープ委員会」など)による活用も考えられる。  自然は放置すると遷移していく。里山がそうであったように、学校ビオトープもまた、ある程度の維持管理が必要である。
 これらの活用や管理には、特に学校現場でのかかわり方が重要であるが、地域の組織、環境NPO、親たちを巻き込んでいくことも大切である。そして、「学校教育の場」「生涯学習の場」「遊びの場」として色々な楽しいプログラムや教材をつくり、活用や管理をとおして学校と地域との交流を図りたい。

4)発信する

 「ビオトープ新聞」の発行、誰でも自由に書ける「発見ボード」の設置、案内板、校内放送、CATV、インターネットなどを活用した様々な発信のしくみもぜひ考えたい。また、管理のために伐採した木を使った工作展示や、子どもたちが案内役になっての自然観察会へと発展することもできる。
 発信するということには、自然体験を学習成果としてさらに高める効果 があるとともに、学校博物館的な地域の情報発信の基地としての役割も期待できる。*2


*1 毛利将範(もうり まさのり) 志木小学校・図書館・公民館複合化施設検討委員会委員 エコシティ志木代表 R埼玉 県生態系保護協会志木支部会員 童画家 志木市幸町在住
*2 この文章は、学校ビオトープの共通理解のために『ビオトープってなんだ』で筆者が発表した内容を内田道子さんが要約し、それに加筆したもの。

↑top
 HOME 

Copyright (C) MOHRI Masanori All rights reserved.

[PR]≪占い奇跡の恋愛術≫初回無料:幸せな結婚へ導きます。本格結婚鑑定